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指輪が割れちゃった。。。修理工程編
2025年02月17日(月)
こんにちは、ジュエリー工房フィールです。
前回UPしましたリングのお修理、実際の工程をご紹介します。
①まず最初に、リングの腕が切れた部分をなおします。
切断面を出来るだけ隙間が少なくなるように合わせて、そのわずかな隙間にロー材(リングの貴金属部分よりも少しだけ融点の低い合金)をのせます。②バーナーであぶってロー材を溶かし、共付します。
理科の実験で習ったように、炎の中の青い所の先端が一番温度の高い所になるので、そこをリングにのせたロー材にあてると、リング本体よりも融点の低いロー材の方が先に溶けます。③ロー付け出来た所です。
ローが溶けて切断面の隙間が埋まっているのがわかります。④変形してしまったリングの輪の形を整えます。
金属製のサイズ棒(リングのサイズを計ったりする、なだらかな円錐形状のような棒)にリングを入れて、木槌で叩いて形を整えます。
金槌だとあたりの力が強くなりすぎるのと、傷が付いてしまうのとで、木槌を用いています。
また、同じ所ばかり叩いていると変形してしまうので、サイズ棒に差し入れ直してみたり、角度を変えたりしながら様子を見て少しずつ叩いて整形していきます。⑤傷を取っていきます。
金属製のヤスリを使って傷を取っていきます。傷を取らないといけませんが、擦り過ぎるとリングの厚みが薄くなってしまうので、慎重に擦っていきます。
ヤスリで擦っていると、ヤスリ目が詰まってしまって擦り味が落ちてしまうので、少し擦ったらすり板(作業時に机に取り付けてある木製の支えの板)にヤスリを軽くぶつけてヤスリについた粉を落としています。⑥ペーパー仕上げをします。
金属製のヤスリで大きな傷を取ったあと、次は紙ヤスリをリューター(歯医者さんでも使われているような電動ドリル)に巻きつけて、磨いていきます。
これで小傷なども取っていきます。⑦バフ仕上げをします。
高速回転の電動バフでリング本体の外側を磨いていきます。
こちらも当てる力を均等にしないと変形してしまうので、滑らかな光沢面が出来るように慎重に仕上げていきます。⑧バフ仕上げが出来ました。
キレイな鏡面仕上げになり、仕上げた職人さん(当店オーナー)が映り込んでいます(笑)⑨納品です♪
お客様にも「こんなにキレイになって本当にビックリ!石も何だか大きくなっているように見えるわ」とおっしゃって喜んでいただけました😊実際はバフ仕上げの前にリングの内側を磨いたり、仕上げ後には付着した研磨剤などを取るための洗浄など、細かい工程を言い出したらキリがないので割愛致します(^-^)
こんな感じで一つ一つ丁寧にお修理させていただいています。
因みに今回のお修理について、所要時間と料金はどれぐらいかかると思われますか?
ヒントは…、ご注文いただいたお客様からは4日程かかってそうと言われましたが、4 日かかってこの料金だった場合、時給換算すると生きていけません(笑)Instagramに工程動画がありますのでよろしければぜひご覧くださいませ✨